憲法改正問題

憲法改正問題について、いろいろ議論がされているようですが、今夏の参議院の選挙の結果、自民党に、どの程度協力する政党がでるか、によって憲法改正の実現にも現実味がでてきました。

司法試験では、改正限界説といって、改正手続規定である96条は、96条の手続を経ても改正できない、とか、国民主権とか、特定の種類の個別の規定は改正できない、とか、反対に、改正に限界は全くないという見解もあり、改正の限界を超えた改正を改正限界説は、革命とネーミングするだけで、それを無効とするわけではない、とか、いろいろパズルのような整理のされかたがされていたのを懐かしく思い出しました。

政令は、法律に授権され、法律は憲法に授権され、憲法は憲法制定権力に授権されと、親亀子亀のような形になっているのですが、子亀である憲法改正規定によっては親亀である憲法を殺すような改正はできないというような理屈です。

しかしながら、こういう授権関係を無限に遡及していくわけにはいかないので、どっかで、それ以上遡ることのできない何か、にぶつかるはずです。

それは、やはり、ナマの実力、政治なのでしょう。

もっとも、憲法は権力を制限するものでもありますので、選挙が終わったからといって、次の選挙までは何もないというわけではありません。

すでに、今回の参院選の結果が憲法に違反しているとして選挙無効を訴えるという動きもあります。

また、選挙スタッフの公職選挙法違反で、連座制の責任を問われて当選者が失職し、補欠が繰り上げ当選するというような事態も否定しきれないところであります。公職選挙法自体がかなり複雑で、しかも時代遅れなこともあり、逮捕者がでれば、当局との権力闘争のような様相を示すことも十分に予想されることであり、私も実際に相談を受けたこともあります。

いろいろな意味で、しばらくは、目を離せない状況が続くと思います。


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