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中小企業専門家育成講座「経営者保証に関するガイドラインについて」を受講し ました。

第一東京弁護士会中小企業部会主催の「中小企業専門家育成講座」を受講しました。

  今回のテーマは「経営者保証に関するガイドライン」です。このガイドラインは、平成26年2月1日から実施されており、会社の債務を保証した経営者の保証契約による責任を限定し、早期の事業再生を促すことによって、債権者にとって経済的な合理性が期待できる状況が生じた場合に華美でない自宅や一定の範囲内の現金を残すことを認める制度です。

   「経営者保証に関するガイドライン」は、あくまでガイドラインで法律のような強制力を持つものではありません。あくまで債権者にとって経済的な合理性が認められることが条件になっていますので、これを利用すれば必ず自宅を残せるというものではありませんが、会社が倒産した場合には必ずといってよいほど経営者も同時に破産をしなければならない今までの状況と比べると、「やり直しのできる社会」を実現するものといえ、法律実務家のみならず、多くの中小企業の経営者の方々が非常に注目している制度です。

   今回の講師はLM法律事務所の森直樹先生です。経歴はこんな感じですが、会社更生など大型の法的再生事件だけでなく、企業再生支援機構のディレクターなど私的な再生事件を多く手掛けている方です。

   講演では、中小企業再生支援協議会によるガイドラインに基づく保証債務の整理手順、地域経済活性化支援機構、実務上の体験談における問題点など、先駆けて実務を経験した人でなければ話せないお話が聞けて大変勉強になりました。

   金融庁のHPで「ガイドライン活用のため参考事例集」が公表されていますので、これを機会に集中して勉強したいと思います。

   受講後は、またもや主催者側の人間であることを活用して講師の先生との懇親会に参加しました。

   あくまでもここだけのお話でというようなレアな情報もゲットしました。

   今後も継続して参加していこうと思っています。

責任能力のない未成年者の監督責任に関する最高裁判例

「小6蹴ったボールよけ死亡、両親の監督責任なし」というニュースに接しました。

 判決全文はこちらで公表されています。結論としては妥当な判決だと思いますが、11年かけて最高裁まで争わないとこの判決がでなかったということに疑問が残ります。

 遺族側の弁護士は、民法709条又は714条1項に基づく損害賠償を子供の両親に対してのみ請求していました。

民法714条1項は次のように規定しています。
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、
    監督義務者がその義務を怠らなかったとき、は、この限りでない。

1.の責任無能力者というのは未成年者のことで、民法712条は次のように規定しています。
未成年者は、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。 2.は「責任弁識能力」と呼ばれています。法的な責任を負うかもしれないと理解できる能力のことですが、判決では、その下限は11歳から14歳まで広く分布して分かれており、今回も責任能力はあると判断される可能性もあったのですが、判決では、責任弁識能力はないと判断されています。
 常識的に考えると、11歳になれば、自分が間違ったことして人に怪我をさせれば単に謝って済むことではなく、法的な責任を負わなければならないのではないかということくらいわかる知能はあるではないか、とも思いますが、後に説明する昭和49年の最高裁判決がでるまでは、責任能力があるとされると民法714条の不法行為が成立せず、被害者が救済できなくなってしまうので、ちょっと無理して高い年齢の子供でも、そんな知能はない、と説明してきたのです。学説では、自分が間違ったことして人に怪我をさせれば単に謝って済むことではなく、法的な責任を負わなければならないのではないかということくらいわかる知能は6、7歳ならあるのじゃないか、などと言われています。
 実は、ここが訴訟のテクニックに左右されるところで、今回のように、あえて学校は訴えないとか,民法709条だけで請求しちゃうとか、民法719条1項だけで請求しちゃうとか、様々で、被害者救済の見地から、裁判官が多少強引に、この子にはそんな知能はないことにしちゃ…