第3回中小企業専門家育成講座に参加しました。

第一東京弁護士会主催の第3回中小企業専門家育成講座に参加しました。
テーマは「地方自治体の中小企業支援政策」です。

我が国の中小企業政策は,中小企業基本法等の国の法律に基づいておりますが,実施主体は,国のみならず,各都道府県,各市町村の地方自治体も含まれています。中小企業は,地域色が強いので,むしろ地方自治体の施策のほうが重要ともいえるかもしれません。予算の規模は,国,都には遠く及びませんが,地方の実情に応じた現場の実務を担当しているのが,東京では区の中小企業政策です。今回は,荒川区と板橋区の政策の実務を勉強しました。

一昔前は,民間の一企業に税金を使って支援をすることに批判的な声もあったようですが,現在では,中小企業が国の経済の基礎を担い,雇用の創出主体でもあるなどその積極面に着目した積極的な支援が求められており,これまで区の行ってきた事業を公社に委託するなどの流れが強くなっているようです。

荒川区では平成18年からMACCプロジェクトを実施しており,そのポイントは次の三点にあるとされています。

  1. 行政のコーディネート力の向上
  2. 産学官ネットワーク強化と連携の場の創設
  3. 先導的な産学連携プロジェクトの形成
首都大学東京健康福祉学部との連携で,手を放しても倒れない自立する杖,フェレット杖の開発に成功したとの実績があります。

板橋区では,起業家精神が高揚する場所の提供というコンセプトに基づき,事業所,従業員数,付加価値の更なる増大を目指し,公益財団法人板橋産業振興公社の事業を活用しています。

これから中小企業が生き残っていくためには,産学官のネットワークだけでなく,中小企業同士の産産ネットワークが必須の時代となっており,それに応じてトラブル・紛争も多くなっております。中小企業の主な相談相手は今までは顧問税理士だけというところが多かったと思います。今後は,税理士と弁護士のネットワーク,弁護士同士のネットワークを通じて,専門性の高いサービスと,総合的なサービスの両立という難しい課題が突きつけられてるといえそうです。

私が会長を務める「新時代のプロフッションを目指す会」は,正にこのような難しい課題に対応するために設立された会です。時代は大きく動いています。



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