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12月, 2015の投稿を表示しています

年末年始の休業のお知らせ

 年末年始の休業のお知らせ  平成27年12月28日月曜日から平成28年1月1日金曜日まで休業させていただきます。  平常営業は平成28年1月4日月曜日からになります。  宜しくお願いいたします。  

中小企業診断士の勉強会(中小企業政策の歴史と意義)の講師をしました。

中小企業診断士の勉強会の講師を務めました。テーマは「中小企業政策の歴史と意義」です。  日本の中小企業政策の歴史は大きく三つに区分することができ,最も重要なのはいわゆる「新中小企業基本法の制定」です。  旧基本法は,高度成長自体に大企業と中小企業の同時発展をささせたものとして評価されていましたが,いわゆる産業政策的な色彩が強く,また,解釈によって運用を補っており,中小企業の政策のガイドラインとしては少し古すぎるものとなっていました。  そこに,独禁法の抜本的改正と相補うように,競争政策的理念の基に,新たな中小企業政策のガイドラインとして制定されたのが新基本法です。  産業政策と競争政策を比較検討した上で,中小企業政策の理念を法的観点から見ていくとどのような結論が導かれるかについて、2時間ほど講演した上で,30分間の質疑応答がありました。  その後は,本年度最後の勉強会ということで,忘年会にも参加しました。議論が白熱したため,若干遅刻してしまい、その分食事時間が短くなってしまいました。  単なる制度の説明ではなく,議論中心の会なので,非常に勉強になります。今後とも参加したいと思っています。  

瀬木比呂志著『ニッポンの裁判』を読んで

  明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志氏の『ニッポンの裁判』が城山三郎賞を受賞したとの報道 に接し,読もう読もうと思いつつなかなか時間がとれないでいましたが,ようやく読了することができました。  以前 「瀬木比呂志著『絶望の裁判所』を読んで」という記事 を書きましたが,こちらは裁判制度批判の書で,本書は裁判内容批判の書で姉妹編にあたるとのこと。  『絶望の裁判所』はそのまま裁判制度批判の本で読みごたえはありましたが,ルポタージュ的な要素が強く,城山三郎賞というとちょっとイメージと違うなと思っていました。本書はルポ的な要素も十分がありますが,瀬木氏の人生観・人間性の現れた一種の文学作品に仕上がっていると思います。   論ずべき点は多々ありますがが、今回は私が前から思っていた点を一つだけあげることにします。  それは、裁判官はまず結論を決めてから,その理由を考えている。という点です。   本書には,社会は裁判官を人として見ていない,証拠を与えると自動的に答えがでてくる「正義の自動販売機」のように思っているのではないか,というちょっとショッキングな記載があります。  「瀬木比呂志著『絶望の裁判所』を読んで」という記事では,「裁判官は世間知らずだという広く流布している誤解である。」,つまり、裁判官の人間性に着目することの重要性に触れたのですが,この「正義の自動販売機」説的な誤解が広く流布していることは前から問題があるなと感じていました。  既存の概説書には,正義に適った永遠で客観的な法があり,裁判官は法に拘束され,法を解釈するのみであって立法をするのではないという世界観が書いてあることがあります。自然法・自然権的な啓蒙主義的法律観であって,また,法律の文言を重視するという意味で実証主義的法律観ともいえると思います。こういう法律観に基づくと上の「正義の自動販売機」説がでてきます。  今きちんと法律を勉強した人でこういう世界観をもっている人はどちらかというと少数派で,私も依頼者には,「そうじゃありませんよ。」と必ず説明することにしています。  瀬木氏は,「プラグマティズム」という哲学の影響を受けた「リアリズム法学」を自身の考えの基礎においているそうです。この辺になると法社会学とか法哲学をけっこうみっちりやってないとわからないと思いますので,